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高知県立大の矢吹知之教授=2024年9月17日、高知県立大、蜷川大介撮影
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 高知県立大の学生食堂で今年から月1回開かれている「認知症カフェ」が盛況だ。

 9月には地域住民ら100人を超える人が訪れた。

 運営の中心を担う矢吹知之教授(52)に狙いを聞いた。

 ――どんなことをしているのですか

 第1土曜の午後1時半から約2時間、コーヒーを飲みながら会話し、認知症にまつわる30分のミニ講話を聞きます。

 目的の第1は、講話で知識を得て「学ぶこと」。第2は新たな出会いをえて「つながること」。

 ――誰でも参加できるのですね

 よく勘違いされるのですが、認知症の人だけが参加する場ではありません。地域住民にも訪れてもらい、認知症への偏見をなくし、認知症への理解を広める「学びの場」です。参加費は飲み物付きで100円です。

 ――認知症への偏見とは

 「何も分からなくなる」というのは大きな誤り。症状には個人差がある。誰しも初期があって段階を踏んでいくのに、重症化したイメージが増幅している。

 一方で、軽視もいけない。当事者は不安や恐れを感じ、家族も心が揺れる。最初の対応が変わればその先も変わるのが認知症。診断まで時間のかかるケースも多い。

 それを知るには、地域に広く開かれた、カフェのような場所で繰り返し学ぶのが有効です。

記事の後半では、大学で開催している理由や矢吹教授の編著「認知症カフェ企画・運営マニュアル」を出した経緯についても紹介しています。

 ――9月には若年性認知症で…

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